審神者日誌

4年目からの審神者日誌。相模国 初期刀:蜂須賀

2022年4月_京都遠征 北野天満宮と苔寺

春の陽気に誘われて4月半ば無計画に京都に行きました。

いつも聖地巡礼になってしまうので今回は全く関係なく

好きなところ行こうと思って展示とかは一切調べず予定を立てたのに

刀に出会えてしまった

もう生涯審神者やるんだろうな。

 

北野天満宮

雪月花と宝刀の煌めき(第3期)

北野天満宮さんの展示は「刀剣のみ」写真OKです

ただガラスケースの奥にガラスケースという感じの構造なので

きちんと準備しないと映り込みしちゃって難しい…

 

(写真がメモ用なのでまったく実物の素晴らしさを表現出来ず……)

助守

鋒が小さく、反りが強めで見るからに古い刀という印象。

展示の一番の目玉は鬼切丸こと髭切ですが

この刀もかなり風格があります。

キャプションにあるように拵えは江戸時代のものらしいですが

色の組み合わせのセンス~~~!!!

金にグレートーンの浅黄色でまとめる感性…

(専門用語をしっかり覚えてないので自分のわかりやすい言葉に置き換えてしまいますが)

時代が時代だったら

拵え担当のデザイナー達のコメントも残ってたりするのだろうな…

 

刀剣鑑賞始めた頃はもっと太!デカ!強!という

南北朝の頃の刀が一番好きだったのですが

古い時代の姿の刀はとても品があるし何よりこの状態で残っているのが

本当に貴重なので、今では出会えるととても嬉しくなってしまう。

 

 

鬼切

刀鑑賞に頻繁に行けないとだんだん記憶の中の刀のサイズが

小さくなっていて、

久しぶりに実物を見ると「こんなにこの刀大きかったっけ??」になる。

他の太刀も出てたけど比べると明らかにでかい。

やっぱ威厳がある。

 

大型展示会のなかだと列が出来てしまったり、なかなかゆっくり見れませんが

このレベルの刀剣を独り占めしてゆっくり鑑賞できるのは

期間の長い実家(?)展示の良いところです。

 

長期展示だからか髭切役の花江さんが髭切と天満宮についての

ナレーションをされていて

刀剣乱舞的には自己紹介と実家紹介なのでとても微笑ましい気持ちに…

 

刀派メモるの忘れたけど

中華包丁みたいな幅5振り分ぐらいの脇指の君

この姿の刀は初めて見ました。

デブ猫に会った時の衝撃と同じ。

衝撃的すぎて忘れないので写真を撮ってなかった。写真なくても忘れないから。

包丁 北野天満宮ググるとすぐ出てくる。

「刀」と呼ばれるのはどこまでか、

刀ってなんだっけ?と問いかけてくるどっしりでっぷりした姿。

君が奉納刀としてそこにいるのなら刀なんだろうなそうなんだろうな。

北野天満宮さんの刀に全部人格が宿ったら間違いなく超個性派。

刀剣の鉄人のノリで作られてそう。

 

秀頼公が奉納した太刀

月山貞勝

珍しい直刀です。しかもすっごく状態がいい。

と思ったら昭和二年に奉納された刀だった。

完全に刀は美術品の時代に奉納のために作られたものなので

所謂ビジュ値全振りの方。

 

拵え大好きなので細工が細かい拵えは特にじっくり見てしまうのですが

この拵えもお洒落だけど狂気を感じる細工。

まず金属をここまで細かく細工する職人技術が本当に狂人。

現代ほどの機械がない時代、金属を溶かす高音の炎や

金型を作る労力を考えるたびに職人は本当に狂人だなと思いを馳せてしまう。

細工の金が一番華やかでそこに目を引かれるけど

鞘部分の地は細工より落ち着いた金で

そこに白い鶴?(もしかしたら白鳥とかかもしれない)が

飛んでいるバランス感覚がお洒落。

 

この時代のデザインの手法について調べる機会はなかったのですが

日本画とかを見ると、今でもデザイン現場で言われる「粗密」などの考え方を

しっかり現場で使われていたんだろうなというのを感じます。

北斎の猫の描き方の手法などが有名なので

その辺りから調べてみると面白いかもしれない。

 

他にも巴形薙刀脇差が結構あったり

大型展示ではないのに幅広い刀剣が見れるので

沢山の刀剣や奉納品が大切にされてきたのを感じる。

自分も刀剣ブームがなければこうして出会うことがなかったものばかりだけれど

ブームがなかったとしてもこの先も大切にされていくのだろうと感じるものばかり。

そういうものが本当に美しく感じる。

 

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北野天満宮さんは学問の神様、菅原道真公をまつっていらっしゃるので

遥か昔、修学旅行の頃何も知らなかった自分もノリでお守りを買っていて

刀剣乱舞に出会った頃それをふと思い出して

縁を感じたので京都に来た時は必ず寄るところなのですが

神社としてもかなり大きくて見応えがあります。

 

一番参拝者の増える時期は正月~梅の時期2月だと思いますが

この時期の北野天満宮さんは人がその時期よりは落ち着いていて

長閑でとても居心地が良かった。

 

活気がある時期も好きですが

時期や込み具合によって神社の印象がすごく変わる。

今回は穏やかで日々色々詰め込み過ぎた気持ちをリセットするのに

とても良い場所でした。

 

こんな風景をあの展示室で髭切が眺めているのだろうななんて

想像出来て、展示の案内の方の優しさも相まってとても尊い気持ちに。

 

花手水

疫病が流行ってからは神社さんの手水場で柄杓が使えないので

花が飾ってあることが多いのですが

北野天満宮さんもお花でいっぱいだった。

天満宮さんの御使いアイドル牛も花に囲まれていてかわいい

(消毒されていて触れる牛もいます)(時代に合わせられるアイドル牛)

 

天満宮の桜

枝垂れ桜のように枝が垂れた桜

北野桜というそう

https://twitter.com/kitano_bunka/status/1513739865674104837?s=21&t=G9R-zkTkrioMJu8CodB8QA

 

 

 

苔寺

京都の有名どころはあらかた巡ったな~と思っていたところに

急に思い立ったが吉日。

前々から行きたかった苔寺こと西芳寺さんに行きました。

事前予約が必要で以前は往復はがきでしか予約手段がなかったため

訪れるのにはなかなかハードルが高かったのですが

オンライン予約が出来る様になっていて、

空いていれば前日予約でも行くことが出来ました。

 

京都駅からはバスだと1時間、電車でも結構かかるので

嵐山方面に行くなら1日かけて散策するのがおすすめです。

刀剣乱舞には直接関係ないですが、西芳寺さんは大覚寺さんに近いので、

苔寺に行ったら大覚寺(膝丸の実家)もコースに入れると効率よく楽しめるんじゃないでしょうか。

 

西芳寺さんではまず写経をします。

日常生活をしていて、学生だったり会社員だったらまず経験することのない写経。

自分も初めての経験だったので、厳しい雰囲気だったらどうしようと

緊張して行きましたが、そんなことはなく、

各々のペースで瞑想をする気持ちで写経が出来ました。

今回は時期が良く、鶯の声が聞こえる中で写経が出来たので

俗世と切り離され、澄み切った気持ちで本当に安らぎました。

こういう京都を求めていた……

 

そして待ちにまったお庭の散策です。

もうこの時期に来て正解と言わんばかりの美しい新緑!

太陽の光で輝く緑!小川の流れる音。水面が木に反射して揺らめいている光。

こういう京都を求めていた(2回目)

 

頂いた西芳寺リーフレットによれば

かなり歴史が長く、南北朝時代の頃に庭園の原型があったそうです。

荒廃した庭園を修復したのは信長公だったとの記載もありました。

 

現在では使われてないですが、月見窓のある茶室と思われる建物も

庭園内にはあって、ここで茶会をしたらさぞ最高だろうなと

想像しながら庭園をめぐる時間が何よりも癒されて楽しい。

この庭園も長い長い時を経て

沢山の人たちの思いを受けて現在まで受け継がれてきた場所なのだと実感します。

 

行けて良かった。

次回以降の京都遠征でもリピート候補です。

 

松尾大社

苔寺と近かったのでなんとなく立ち寄ったのですが

丁度山吹の見頃の時期で

数えられない数の山吹に囲まれていました。

松尾大社には以前も来たことがあったのですが

こんなに山吹の名所だとは知らなかったので

幸運にも素晴らしく美しい景色を拝むことが出来た参拝になりました。

 

 

無計画に日程だけ決めた今回の京都遠征でしたが

天候にも恵まれ、散策しやすく、新緑の時期、山吹、八重桜と

歴史以外にも美しいものに沢山出会えた遠征でした。