審神者日誌

4年目からの審神者日誌。相模国 初期刀:蜂須賀

2019_博多遠征~特別展 侍 もののふの美の系譜~

特別展 侍 もののふの美の系譜

福岡に行った時の記録が全然なかったので
2023年11月に過去の資料整理も兼ねて書いています。

令和元年(2019)9/7~11/4日

遠征時期:10/23~10/25(後期展示)

福岡博物館



福岡博物館で盛大にとうらぶコラボがされていた。
ロビー入って広がるパネルが圧巻。



13 太刀 正恒 

刀剣博物館で見れる子
今回はとにかくライティングが良くて
刃文も地金もよく見える
平安時代のたちだけあってうつりがしっかり出てる

 

33 国宝 太刀 名物 日光一文字

太刀だけどライティング重視で今回は刀と同じ向きでの展示
ずっと見たかった長谷部の相棒(?)
この時見たのが初めてでした。2023年これを書いている今はとうらぶにも実装されました。
波紋が派手!見事な丁子でもくどくなりすぎないバランス
いつまでも見てられる美しさ

 

35 姫鶴一文字

この時一文字が沢山展示されてた。
姫鶴一文字の存在は前から知っていたけど実際に見たのは
この時初めて。想像していたより刃文が派手だったなという記憶がある。
所蔵場所を考えると福岡で見れたのはすごく貴重だったのかも。

 

 

63大太刀銘 備州長船倫光

国宝。見事な大太刀 迫力がすごい
この大きさの大太刀でここまではっきり刃文が見えるものは初めて見た。
というのが当時の感想ですが、備前長船の大太刀だったらそれはそれは
見応えのあるものになるよねという納得感がある。

 

108 圧切長谷部

どんなにすごい刀が来ていようが福博のメインはやっぱり長谷部。
長谷部のいかにも南北朝っぽい大切先と刀身との絶妙なバランスが好きなんだけど
この時はいつもより、更に南北朝時代の刀だなという第一印象だった。
何故なら裏面の展示だったから。
いつもは右側に切先を向けてて金象嵌の「黒田筑前守」が見える形の展示なんだけど
(ポスターもその向き)
今回は裏面の「国重さんの刀ですよ」って光徳さんが刻んでくれたものが見える形での展示。
いつもと印象が違うと反りの浅さとか切先とかの姿がまず目に入ってくるので
うわ、ごつい南北朝の刀だっていう印象が際立つ。

福博さん長谷部の写真撮れることが多いんだけどこの時の展示の写真まるまるないので
おそらく撮れなかったんだろうな。
展示自体がすごくボリュームがあったのでそれもあるかもしれない。

 

そのほか2019当時はまったく意識してなかったけど
17 笹貫
49 石田正宗
あたりも展示されていたとうらぶの刀大集合の展示だったな

 

福岡タワーとのコラボも懐かしいね

 

2022年8月_審神者兼マスターが『THE HEROS展』を楽しんだ記録(静岡美術館)

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2022年8月の出来事の日記です。
1年近くが空いてしまいましたが、当時の熱量ある下書きが残っていたので
せっかくなので公開できる形にしました。
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ここでいう審神者とは、ゲーム「刀剣乱舞」のプレイヤーの名称として使っている。
マスターとは、一般的な意味ではなく
スマホゲーム「Fate/Grand Order」のユーザーのことである。

どちらも歴史上の人物、出来事、刀剣を題材としたゲームであるが
私は歴史に興味をもって始めたわけではない。

むしろ歴史の人物に関してはメジャーな人物の名前ぐらいしか知らないし、刀剣に至っては
名前すらも知らないものばかりだった。

 

そんな私が、特に刀剣の展示に行くようになって5年ぐらいになる。
ゲームを始めた当初に比べて、そこまで知識が増えたわけではない。
そこまで頻繁に行くわけでもない。理想は3か月に1回、都合がつかなかったり
時世の影響もあり、年2回行ければいいほうだと思う。

この展示に行くことに決めたきっかけは
「蜂須賀家伝来の正恒という刀が展示されてるじゃないか…!」だった。
私の刀剣乱舞の「推し」の一振りに『蜂須賀虎徹』という刀がいる。
江戸時代に活躍した刀工、長曽祢虎徹長曽禰興里)に打たれた「虎徹」の刀だ。

 

蜂須賀虎徹のゲーム内の説明(セリフ)にこんなものがある
「蜂須賀虎徹だ。蜂須賀家に伝来したことからこう呼ばれているんだ。」

そう、きっかけは推しと同じ家に伝来した(要するに一緒に住んでた可能性が高い)
刀が展示されているから。

そもそも蜂須賀虎徹は、刀が主力武器だった時代の刀ではないことに加え、
現在は本刃(ほんにん)が行方不明らしく、彼自身を見に行くことや、
彼に関係する刀、歴史人物の展示すらも極端に少ない刀だ。

蜂須賀家に伝来したという正恒を見に行くことは、
歴史に明るくなく、ゲームのキャラクターに興味の重点がある私が、
『THE HEROES展』に足を運ぶのに十分な理由だった。

 

この展示は刀剣乱舞に登場している刀が多めの展示というわけではなかったが、
刀剣×浮世絵という展示テーマなのも足を運ぶ理由になった。
浮世絵ならば、絵師や歴史に背景に詳しくなくとも、現代のポスターやグラフィックを見る感覚でビジュアルのみでも楽しめると思ったからだ。

美術館の展示というと、どうしても歴史的知識がないと楽しめない、
ないよりはあったほうがいい、という先入観が拭えないが、
『THE HEROES展』はそんな歴史の知識に引け目を感じなくていい、
そういう展示だったように思う。

 

『THE HEROES展』に再入場含め、合計3時間以上滞在したと思うのだが、
時間によって写真OKになるということもあり、それでも時間が足りなかった。

ここまで楽しんだ一因として
”展示の登場人物が「刀剣乱舞」、「Fate/Grand Order」で触れた歴史人物だらけ”
だったからだと思う。

 

浮世絵に描かれている人物が知ってる人だらけ

展示を見始めてまず目に留まった有名人物は
浮世絵に描かれた「源頼光」(みなもとのよりみつ)だった。
FGOユーザーにはお馴染み、頼光(らいこう)ママである。
そして頼光さんが出てきたということは当然頼光四天王もいる。
坂田金時渡辺綱酒呑童子、髭切………あげればキリがない。登場人物どころかその刀剣まで知ってる人しかいない!状態。もはや「いつもお世話になってます」

時代に沿って展示されているので、源頼光に続いて出てくる著名な歴史的英雄といえば……弁慶と義経。そもそもの知名度だけでも高すぎるのに、刀剣乱舞でもFGOでもなじみ深すぎる。
音声ガイドでは弁慶と義経の「バトル」なんて言われている。軽い。
自分のようなゲームきっかけで美術館に来てる人に寄り添いすぎている。

そんな言葉選びから、この企画展の”美術品をライトに楽しんで欲しい”という方針を感じた。

また、浮世絵の構図がデザイン的に良すぎて、それだけでも十分に楽しめた。
浮世絵の構図は現代の平面デザインに通じる部分が多すぎるのではないだろうか。


浮世絵の構図や色が良すぎる

 歌川国貞
「茨鬼 戻橋綱逢変化」

(黒が多く反射が強いのでサムネイル程度に参考写真)

これは図録の表紙にもなっている浮世絵で
刀剣乱舞FGOでお馴染み髭切、渡辺綱茨木童子の一条戻り橋の場面が描かれている絵なのだが、
その題材を知らなくてもこの大胆な構図に惹きつけられてしまう絵だと感じた。
こんなに黒ベタの面積が多いのにその黒の面に細い線がいくつも入っていて
画面が重くなりすぎず、このシーンの勢いと迫力をとにかく感じる。

そしてこの黒、オレンジ、緑の配色、この配色をどこかで目にしたような気がする…
そう、歌舞伎の幕だ。
この浮世絵はそれを意識して描かれたわけではないと思うが、歌舞伎も浮世絵と同じく江戸時代の文化なので、歌舞伎の歴史的配色の理由を抜きにしても、当時のメジャーな配色なのかもしれない。単に黒、オレンジ、緑を選ぶとしても少し色相がずれるとここまでまとまりを感じる絵にはならないと思うので、当時の配色センスの良さに感服した。

 

歌川国芳
「武勇見立十二支 丑 鬼童丸」

今回の一番のお気に入り。
まず鮮やかな一面の中縹色に惹かれる。
グラデーションがかかった月、主役の人物とその間に絶妙なバランスで描かれてる
ススキのバランスも素晴らしい。人物は黄色の着物を着ていて、
青の補色関係にある黄色を使うことで主役に視線誘導するという、デザイン理論も取り入れられている。
当時、そのような色や構図の知識がどれだけあったのかわからないが、
現代の知識で見ても見事な手法が取り入れられていて、刺激を受けるばかりだった。

 

歌川国芳
「程義経恋源一代鏡 三略伝」大物浦

舟にいるのは義経主従。海にいっぱいいる青白い顔が平家の亡霊らしい。
という題材が分かっていなくても、
「江戸時代から幽霊は青白く描かれるものなんだなぁ」と感動していた。
そして結構コミカルな顔をしているように見える。カニに怨霊の顔がついている。
とても可愛らしい。

 

このように私が歴史的題材というよりはむしろその構図や色などの表現方法に
注目して楽しんでいたのが伝わると思う。

今回沢山の浮世絵を見て感じたこととしては、
私がゲームを通じて、現代のイラストと解釈で創られた歴史人物と同名のキャラクターを好きになったように、
当時も歴史人物そのものというより、浮世絵の解釈で描かれた人物像が好きだ、という人が少なからずいたのではないかということ。
つまり、『「浮世絵」って現代の「ファンアート」と同じでは?』
それは勿論、普遍的な人気の歴史的題材があってこそ成り立つものだ。

歴史の中で絶えず何度も解釈し続けられ、
現代までその人気が続く「THE HEROS」の展示なのかと腑に落ちた瞬間だった。

 

刀剣展示はデザート

国宝 太刀 銘 正恒

静岡美術館さんのブログに綺麗な写真や説明があるので割愛。
あれだけの浮世絵を堪能しながら国宝の太刀にも会えてしまう。満足度が高すぎる。


刀剣博物館所蔵の正恒の資料が手元にあったので姿を比べて見たら
結構反りに違いがあって、並べたらわかるかも、という印象。
かなり特徴的な刃文がある刀は何度か見て記憶に残っているが、
複雑な刃文の違いや地鉄に至っては毎日見ないと見分けられる気がしない。
けれどこの正恒は、銘と切込痕で
「蜂須賀家伝来の正恒」とこれから見分けられるようになりたい。

そもそも人間の顔だって一度会っただけではあやふやになるものだ。
根気よく展示に通うことで少しでも記憶に残る一振りを増やしたい。

そう思う蜂須賀家伝来の正恒とのファーストコンタクトだった。

 

太刀 銘 備州長船兼光 延文三年二月日

とにかく印象が強かった一振り。このやりすぎぐらいな切先。
私が好きな刀剣の形をしていた。
正恒とおなじく、ふくやま美術館所蔵の刀だったのでおそらく初邂逅。
また一つ素敵な出会いをしてしまった。

始めてリアルで見たいと思った刀剣が南北朝時代の刀剣だったため、
その時代の刀剣が一番好みの姿をしていることが多く、
この一振りも例にもれず南北朝時代

shizubi.jp

 

 

HEROS展で見れる浮世絵に描かれているのは、現実の出来事というより
「推しのかっこいい姿」。

冒頭でも書いたように、今まで歴史的価値がある美術というのは
「歴史的知識を持って楽しむもの。知識が少なくともあったほうがいい」
という先入観があったが、
この展示はそんな考えを改めさせてくれるきっかけになった。
今も昔も推しの「かっこいい」こそ最高の熱量で、そこに年月が重なると美術品になる。
美術品の楽しみ方はきっと、そんな感じで良い。

 

 

 

 

【刀ミュ感想】花影ゆれる砥水

忙殺されている間に本丸がリニューアルされました。
刀ミュの新作が始まったので覚書を残したいと思って久しぶりに文字を。

作業の片手間に配信を見ながらなのでとりあえずの所感。

 

観終わって最初に良いなと思った部分は、
メディアミックスの際、長谷部は信長、長義は山姥切国広のことで
メンタルが安定しない状態を描かれることが多いと感じていたけれど、
今回は二振りとも部隊の仲間の心配をしがちで、
場の空気に合わせてためらわず歌ったり踊ったりするぐらい、
冷静な判断が出来て頼れる刀剣男士の一振りという描かれ方が新鮮だったところ。

見返すと、「花」を愛でる余裕があるというのも冒頭のやりとりから示唆されていたように思う。
刀ミュでいう「花」は人。
人のために刀剣があるという言葉を最近ゲームの方でも某回想で聞いたけれど、
この長谷部はその考えにもう至っている長谷部なのかなと思った。
主が「《今年も》見事に咲きましたね」と言っているので
少なくとも1度は同じ経験をしているのだろうと伺える。
顕現したのも早そう。

今まで見てきた刀剣乱舞の長義が声を荒げる場面は
90%ぐらい山姥切国広に関してのやりとりだったと感じている。
けれど今回の刀ミュの長義はそうではなく(一緒に出陣してないから当然とはいえ)
仲間の助けに入る場面で声を荒げている。
そういう長義の姿を今までほとんど見れていなかったので、
新たな一面を見れる舞台だったなというのが最初の感想。

江水までの脚本は中心に歴史人物がいて、歴史の出来事をなぞりながら、
または歴史の解釈を上手に用いながらそこに関わっていく刀剣男士の心の掘り下げをするのが本筋だったけれど
今回の脚本はどちらかというと本阿弥光徳の刀オタクぶりを見せつけられながら、
一期一振とその影打が中心となって話が展開していく。
この切り口も新鮮で、また役者の方のアクシデントの際に起用した
(特に江水散花雪が記憶に新しい)「影」という存在が伏線であったかのように
脚本で回収したのが見事だった。

アクシデントをただのアクシデントで済ませず、それが伏線であったかのように
丁寧に脚本で保管していく作品はとても稀だと思うし、
長年シリーズを続けていられる刀ミュという作品ならではだと思う。

 

脚本に関して否定的な意見も見た。
以前の脚本と比べてわかりやすい盛り上がりがなくて冗長でつまらないという意見。
擁護でも否定でもなく、自分の中で同意する点と、そういう脚本でも
面白いと感じた部分を自分の言葉でまとめておきたい。

一番最初に刀ミュで泣いたのは三百年の子守唄。
この作品はいまだに刀ミュを勧めるならこの作品からと思うぐらい傑作だと思っている。
物が心を得て、人の成長を見守り、見送る、その過程で何を思うのか。
いわゆる『史実擬人化ジャンル』における見たいものが全て詰まっていると思う。

脚本も登場人物も好きだけれど、トラウマレベルで
エンタメとして接種するには重すぎると感じているのが静かの海のパライソ。
穏やかなシーンを緩和剤として入れてはいるけれど、
作品通して最初から最後まで刀剣男士の背負う使命の過酷さ、悲惨さ、
歴史の凄惨さ、やるせなさ、救えなさで覆われている。
観劇としてはとても素晴らしいけれどエンタメとしてはあまりにも苦しい。

今までの刀ミュのようにわかりやすい盛り上がりがなかったというのは確かに同意する。
だからといってそれがつまらなかったと感じたかというと自分は違った。

これは〈以前経験した感動と同等の感動を次回作に求める客層〉と
常に新しいものを届けたい、〈以前と全く同じものを届けるのであれば
新しいものを作る必要がないのでは〉という作り手の意識の乖離部分だと思う。
以前の源氏双騎出陣でも同様の現象が起きていて話題になったことを記憶している。

自分はどちらかというと刀ミュに毎回同じ種類の面白さを求めているわけでないので
今回の本阿弥に重点をおいて、歴史好きというより
刀好き、刀剣乱舞を通して刀に興味を持って知識がある、層に向けた脚本が
とても響いた。

特に長義が銘を切ってる時に歌う楽曲が良い。
槌の音が聞こえてる中で刀剣が歌うという構図はまさに、刀剣乱舞でないと見れない光景だ。
歌合を思い出す。
刀剣に魂が宿る瞬間に立ち会っている。

 

刀剣乱舞は日本文化とその入り口になるようにという思いを込められて展開されている
コンテンツだと感じていてる。
刀剣乱舞ミュージカルはエンターテイメントだ。
刀ミュは芸術とエンターテイメントの境目の模索を常に続けているように見える。

毎回この味付けだったらおそらく自分もつまらなくなったと感じてしまうだろう。
ただ現状のみで、今回の味付けが合わなかったのか
今の刀ミュが自分に合わないと感じたのか
決めてしまうのは勿体ないのではと感じて、その想いを残しておきたかったので文字を打っている。

これまでは歴史上の人物の歴史に残らない部分を描いてきたのに対して
今回は歴史に残らない刀の話だ。
今まで刀ミュが描きたかった物語と軸がぶれていると感じていない部分も大きい。


アーカイブを繰り返し見てて思い浮かんだことがある。
本来ならば影打を真とされても存在は揺らがないはずなのに
一期一振は揺らいでしまったという出来事、繰り返される「伽藍」という言葉、
これ刀剣乱舞の本質的な設定にすごく関わってないか?という憶測。
魂が宿ってない物=伽藍堂と歌っている一期一振は、刀という入れ物はあるものの、
記憶が焼け落ちていることで本来宿る筈の魂の形が揺らぎやすい状態なのではないだろうか。それこそ水のように形を変えてしまう。

加筆(0505)
「その名を呼べ」と影が言っているシーン。
光徳が確かに音に出して呼んでるので、顕現にも見える…。
ゲーム8面で検非違使側にも審神者がいるような書かれ方をしてたので
光徳はそういう存在になりかけたってことなのかもしれない。

今回のタイトルになっている「砥水」。
水は刀ミュの中でも繰り返し出てくるモチーフで「歴史は川の流れのようだ」と
刀剣男士は言う。
また、水は鏡のように覗き込んだものを映す。
その覗き込んだ姿は瓜二つ。これも今回の公演の中で度々繰り返される言葉だ。

「刀剣男士が歴史を守るのは使命だ」
刀剣に魂が宿って付喪神になるという過程はいい。
だがその使命はどこから来ているのだろうか。
時間遡行軍との決定的な違いはなんなのだろうか。
「影」は歴史修正主義とも刀剣男士とも違う存在に見える。そもそも「線引き」は出来るのだろうか。
そういう視点では今後の刀ミュの展開に備えている《序》にあたるような作品だったように思う。

そもそも今まで刀ミュ、刀の知識もあって当然だよね、という展開をしていた部分があるけれど、(特に歌合が顕著だと思う)銘など、刀自体にスポットをあてた作品が7年以上経ってようやく出来たという点でも今作は《序》のように感じる。

 

加筆

確かに今までの刀ミュに比べてストーリー性は弱いんだけど、
これをメッセージ性もないとして切り捨ててしまうのはなんか違うなと感じてる。
歴史に残らない人以上に歴史に残らなかった物があって、
今美術館や博物館で私たちが目に出来るものはそういう歴史に残った形あるものだけだということに思いを馳せるとかなり沼というか、スルメな公演だなと思う。

 

【感想】宴奏会-2022

ネタバレあり
パンフ売り切れで曲の解説も読めてないので楽器も記憶で書いてる。

2022年10月23日名古屋公演に行ってきました。
隊長は蜂須賀虎徹
今年は機会があって別のコンテンツのオケコンには行ったけれど
刀剣乱舞の宴奏会は2018年のアンコール公演以来。
本当に楽しみだった。

前回は出陣、本丸の四季、近侍曲多めという構成だったけど
今回は特命調査と防人作戦が中心の構成。

使える楽器全部集めましたというぐらい舞台上の楽器の種類が多い。
和と洋だけでなく、マイナーな打楽器や音響の方がSEで使うようなものもあったんじゃないかと思う。

結局、特命調査BGMを予習せずに行ったら、
ボスBGMにほぼ聞き覚えがなくて
こんなに特色あったんだ?と大変新鮮だった。

オーケストラのチューニングの音が広がっていく瞬間ってなんであんなに良いのだろう。
あの音を聴くと今からオーケストラ聴けるんだーという幸福感に包まれる。


セトリ関係なく特に記憶に残った順で。

特命調査慶長熊本
特命調査曲は基本、入電(監査官訪問)から順を追った構成。入電時の本丸の景趣は彼岸花
入電からマップBGMに切り替わる場面転換の、一瞬の静寂に響く鐘の音。
これぞ慶長熊本。一瞬にして会場が聖堂になった。
第一楽章から第二楽章に切り替わるような間だから
通常のオーケストラであればそこに音をのせる構成は難しいと思うけれど、
こういう演出が出来るのは自由度の高いゲーム系(アニメ系)オケコンの良さ。

楽団の後ろのスクリーンに映された部隊は、闇り通路を抜け熊本城へ。
再度聞こえてくる教会の鐘の音。
鳴り響くパイプオルガン(おそらくシンセなんだけど音は完全にパイプオルガンだったのでもしかして会場にあるのか…?!という気持ちに)。
コーラス。まごうことなきラスボスBGM。

慶長熊本のBGMってこんなにかっこよかったんですか?
ほぼ聞き覚えがない分、余計に新鮮であまりにもこの特命調査に合い過ぎてて
今回一番心に残ったかもしれない。

もともと私がゲーム音楽やアニソンもシンフォニックなものが好きなので
ここまで好みのBGMだったことに衝撃を受けた。
近侍曲集に特命調査入ってない…サントラをお願いします。


特命調査天保江戸
市中BGMは覚えてる。基本一番長く滞在するマップのBGMは覚えてる。
特命調査初開催が2019年で、復刻があってもやり取りは回想開かないと見れないので
そりゃあ記憶も薄れてますよね。
そして一番かっこいいラスボスは一番滞在時間が短いので記憶にない。
でも今回の宴奏会の音で強く記憶に残るから、逆に記憶が薄くてラッキーじゃないかと
前向きに考えてみたり。
入電時の景趣は百合。百合は熊本に合わせてくると思ってたので(マリア要素)
百合を背景に二振りの入電を見るのが印象的だった。

ボスBGMで一番毛色が変わるのは天保江戸じゃないだろうか。
テンポが速くなり金管楽器の見せ場!見せ場!見せ場!!!
この雰囲気知ってる…!暴れん坊将軍だ!
(それしかまともに知ってる時代劇がない)
市中BGMは三味線なんかも聞こえて落ち着いた和楽器メインの構成なので、
そこから雰囲気が一変してちょっとコミカルにも聞こえる金管楽器メインの楽曲に切り替わるのは聴いていてかなり楽しい。

宴奏会前半は三味線の出番少な目に見えたが、
天保江戸の曲にはしっかり三味線を取り入れているあたり、
日本文化ごと好きになってもらいたい刀剣乱舞コンテンツの方針が見える。


特命調査慶応甲府
ホルンの記憶が強すぎる。主旋律と絡み合うホルン、大好きなんだ。

緊迫感のあるバイオリンとホルンメインのボスBGM。
金管の花形になりやすいのはトランペットで、
トランペット特有の華やかな音もわかりやすくテンション上がるので好きなんだけど、
曲によっては綺麗に溶け込んで目立たないことも多いホルンが、
メロディを引っ張っていく瞬間がとても好き。

そしてそこに入ってくる篠笛。この楽器の組み合わせを生で聴ける体験、本当に幸せ。
篠笛がフルートの代わりになるかというとそうではなくて、ちゃんとフルートもいるので
音の層がとにかく厚い。

聚楽第文久土佐
熊本に心を持ってかれすぎてそれ以前の記憶が完全に薄れている…
千秋楽公演の配信で聞き返したい。
そもそも公演時間的に特命調査を全部やると思ってなかったので、
楽団を目で追って、耳で演奏を聴いて、背景のスクリーンを見て、を脳が処理するので手一杯だった。
土佐の時にコーラスの存在に気付いた。
今回は特にコーラス曲も多かった印象。コーラスが入って曲が盛り上がる瞬間は本当に素晴らしい。

青野原
楽器を追ってると後ろのゲーム画面を映しているスクリーンまで目が回らないことが多いんだけど、
青野原だけは結構スクリーンを追ってしまった。
編成があまりにも気になりすぎた。
青野原でボスに辿り着いても、即重症でなにも出来ずに敗北するあまりにもトラウママップ…白山くんの正しい運用を見た。


青野原メンバーから出陣メンバーの近侍曲メドレーに繋ぐ構成。
公式で告知出た時、近侍曲の数が前回と同じぐらいに感じたので、
こんなにイベントBGMもあるセトリだと思わなかったんだけど、
近侍曲の時間をまとめることで、イベントBGMも堪能できる構成に感謝。


対大侵寇防人作戦
ゲーム内の演出をかなり丁寧に追ってくれたので没入感がすごい。
記憶にも新しいので感動が戻ってこないわけがない。
オーケストラの夢現乱舞抄、これを聞きに来たんですよ、と心からの拍手を。

ただ、三日月の「折れてもいい」はどんな感動の中でも
「いいわけねーーーだろ!」とグーで殴りに行きたくなってしまうね。

そこからアンコール1回目。
修行から帰ってきて「使ってくれると嬉しい。」からの三日月近侍曲。
本当にずるい刀だよ、三日月宗近

 

近侍曲 燭台切光忠
今回の近侍曲MVPは燭台切だよ…。やられたよ。
セトリ発表された時に明らかに浮いていたというか、
絶対彼の曲だけサックス入ってくるだろうな、と予想してたが、
この近侍曲まで他の曲にサックスは使われていなかった。
クラもオーボエもあったけどサックスは舞台上になかった。

曲の途中で、今までの楽曲で篳篥と篠笛を担当してた方が
ふと立ち上がって、楽団の輪から出てくる……
オーケストラでソロの演奏者が立つ位置。
その手にはサックス!

指揮者前、最前列に和楽器はまとめられていて、
下手の方から二十五絃筝、十三絃筝、上手側尺八、篳篥(篠笛)、三味線、
23日の宴奏の方は皆和装で。
その和装の方がかなり年季の入ったサックスを手に立っている。
もうそれだけでかっこいい。渋い!粋!
事前の告知でもサックスの演奏者は描かれてないので、
おそらく意図してここまで隠す演出だったのだと思う。


(出演者一覧)

www.toukenranbu-ensoukai.jp

「驚いたか!」とトップバッターで近侍曲を披露した彼の声が脳内に聞こえる。
最高の演出だよ!

サックスソロってもうそれだけでおしゃれなんだよ。かっこいいんだよ。
しかも和装。
これぞ刀剣乱舞のコンサート!

メドレーになってる近侍曲はおそらくテンポも考慮して台詞なしの構成なんだろうけど、
確かに燭台切の「格好よく決まったかな?」が聞こえた。
文句なしにかっこよかったよ!!!!!大拍手。

 

イベントBGMだけでなく近侍曲まで本当に満足感の高すぎる公演で、
忘れた頃に、本当に忘れた頃に、
三日月の近侍曲が終わるとスクリーンに現れる始まりの一振り。

 

近侍曲 蜂須賀虎徹
「名古屋公演の隊長は蜂須賀虎徹だ。忘れないで欲しいな。」(うろ覚え)
まさに今までの演目にあまりにも心奪われしまっていたので、
台詞選びが大変刺さる。
『素晴らしい楽曲ばかりだけど、俺だって名刀なんだから蜂須賀虎徹の近侍曲も忘れないで欲しいな』と、蜂須賀流に言うとそうなったのかなと思ったけれど、
この本丸の蜂須賀がそういうことを言うのが結構響いた。

ミュはすごく言いそうだけど。笑。どちらかというと自信100%で俺が一番目立つだろう、って感じで。

蜂須賀虎徹は「本丸の数多の名刀に負けないように」と自分を奮い立たせるような台詞が多めだが、
こんな明確に「俺がいるよ」って言える刀だっけ?と時間が経ってから
今、余計にじわじわ来ている……極めたから…?
今回他の近侍曲の印象の方が強く残ってるのは、
蜂須賀の近侍曲をあまりに日常的に聴いてるから完全に耳になじんでいるのと
近侍曲に入る時にこの台詞を言われた衝撃で音楽どころじゃなくなったからだと思うんだ……
曲入りのプォ~~~ンまでの記憶はあるのにそこから先気づいたら
「あなたと私と」だった。

7年も蜂須賀と一緒にいるのにいまだに蜂須賀の言葉一つで動揺してしまう…

なんでだろうな…蜂須賀って普段はちょっと弟贔屓気味だけど真面目で育ちが良くて
戦の時は頼もしくて勇ましくて、でも仲間に対する言動は優しくて、けれど強烈な個性はなくて
(外見は派手だけど)、私の典型的な好きなキャラの傾向として引っかかるのは美しい髪ぐらいなので、
こんなに蜂須賀に惑わされるの謎なんだけど……気づいたら7年経ってた……
蜂須賀の言動って明確にうわ~なんかかっこいいこと言ってる!みたいなのは少ないんだけど、なんかじわじわ残ってるんだよなぁ。

名古屋公演隊長の勇姿、しかと見届けました。

脱線したけれど。楽器の感想。

コントラバスが目立つような場所があったのもよかった。
普段全体を支えてる低音リズム楽器がメインの旋律奏でる瞬間ってのがかっこいいんだ。
今回の席は奥の方が特に見えずらかったけれど、どこかでキーボードがカメラに抜かれて、
キーボードあるならピアノは舞台のスペース的にないのかなと思ったら
後半しっかりピアノが使われていて、本当にここにない楽器あるの…?ってぐらい
多種多様の楽器があった。ギターとベースぐらい?
大阪公演はギターもあるらしい。拝聴したかった。
次回があるならギターが入る近侍曲も聴きたい。

打楽器も和太鼓、ティンパニ、コンガ(多分)と多種多様で、
この音どこからしてるの?って瞬間が多すぎてずっと楽しかった。
どの曲か忘れたんだけど、面白いなと思って記憶に残ってるのは
スネア?かシンバルで細かくとってるリズムに
箏が合わせてくるところ。
近侍曲集確認した感じだと薬研がそれっぽいところがある気がする。

近侍曲メドレーでもう一つ素晴らしかった部分を挙げるなら
石切丸→青江、髭切→膝丸と、同じ旋律が入っている近侍曲を連続で演奏する構成もよかった。
近侍曲メドレーあまりにも自然に怒涛に流れていくから
一つ一つ記憶するのが難しい。

ゲームの打ち込みで作ってる部分を再現するのにこんな楽器を使うんだ、
という驚きと共にオーケストラを楽しめる点も
ゲーム系オケコンの贅沢なところだなぁと行く度思う。

 

前回のコンサート時は、
刀剣乱舞の世界観をオーケストラで再現するというその試みと
ゲーム外でキャラクターの新録があったという感動が大きかったように思う。
今回はキャラクターの新録は各公演の始まりの5振り+前半の近侍曲の二振りだったものの、
ゲーム内イベントでキャラクターの掘り下げが十分にされた分、
その世界観をより情緒的に、感動的に表現することに重きが置かれていて、
ゲームでの思い出があればあるほど、共鳴する公演だったように感じた。

まだまだいつ、こういった公演が出来なくなるかわからない時世だけれど
この機会に恵まれたことに心からの感謝を。

11月の配信見たら追記と修正したいと思います。
お疲れ様でした。

【感想】特「刀剣乱舞花丸」月ノ巻

虎徹関係中心。ネタバレあり感想。

※雪ノ巻が都合がつかず見れていません。雪を見ていたら変わる解釈があるかもしれません。
虎徹の話をするとどうしても刀ミュの話題に触れます。
あくまで個人の感想で考察とかでもないです。悪しからず。
 
総括的に「よかった」なんですけど、
第一に
回想の回収が丁寧だったなーと感じた点。
 
虎徹と清麿、水心子の回想
清麿と長曽祢の回想をただ再現するのでなく、
ストーリー冒頭で南海太郎朝尊が水心子正秀に師事していたことに触れ、
にも関わらず"刀剣男士"水心子正秀の方が
"刀剣男士"南海太郎朝尊よりも若い姿で顕現しているというやりとり
(回想74『新々刀の系譜』)を入れることによって
刀剣男士の顕現の姿や理由が単に史実や事実に
基づくものだけではないという
後半の清麿と長曽祢の関係性(回想75『名を分かつ』)を
フォローする構成がよかった。
 
この構成は、本家ゲームでも回想が連番になっているので
意味のある繋がりとして実装されていると思う。
けれど、ゲーム内だと登場する刀剣男士がバラバラなので
改めて回想を見直してみても、この二つの回想を繋げて関係性を見出すのは
なかなか難しいと感じた。
 
それが今回の花丸の中ではすごく効果的に回想のやりとりが使われていて、
とにかくその構成の良さが
虎徹関係のやりとりを引き立てる形になっていたのかなと思う。
 
天保江戸組と文久土佐藩組のやりとりの中に、
長曽祢が入ってきて清麿と出会う、という構成。
 
ゲームの仕様上、天保江戸で先に蜂須賀が
水心子と清麿に会ったような形になるけれど、
今回の花丸だと長曽祢と清麿を先に出会わせたことで、
長曽祢を中心に蜂須賀、浦島、清麿、水心子の関係性が展開するのも
特命調査を描かずとも、回想75『名を分かつ』に自然に繋がった気がしてよかった。
 
回想のこういう長曽祢を見て、蜂須賀、浦島が
どんな態度をとるんだろう、
どんなことを思うんだろうという部分も
花丸で描かれていて、その点も丁寧に扱ってくれたなと感じた部分。
虎徹の複雑な関係性の中でもある、
確かな絆が垣間見えた気がして思わず涙が浮かんだ。
 
清麿に対して長曽祢が申し訳なく思う部分があって
煮え切らない態度をとるのを
蜂須賀が苛立たしく思う部分とか、
浦島が長曽祢に「言葉が足りないよ」っていうのも
(確かこれ言ったの浦島だと思うけど記憶違いかもしれない…)
ミュのやりとりをちょっと思い出すような空気感があった。
(※ミュでは天保江戸組と虎徹のやりとりが2022年7月9日現在まだないので
完全に天狼傳とその他公演での各々の態度からのイメージ)
 
メディア通して、
長曽祢は自分のことに関してはすごく不器用になり、
それを見た蜂須賀が長曽祢に”ツン”とも「きつい」とも言えきれない
なんともいえない態度になり、
それを察した浦島が蜂須賀が言えないことを変わりに言う、
という関係性はブレないように
かなり気をつけてくれてるんだろうなと感じたのがよかった点その2。
 
花丸1期、2期の頃より虎徹周りのやりとりは、
より気を遣ってメディア通して監修入れてるんじゃないかな〜という肌感。
ほんとただの直感だけど。
 
 
浦島くんがただの明るいムードメーカーじゃない。
兄二人の様子を本当によく見てて、
蜂須賀が言えないことは言って、
長曽祢の背中を押さなきゃいけない時は押す、
それが出来る刀なんだってしっかり描かれていて
最近各メディアで浦島くんを見るたびに浦島くんのことが好きになってしまう。
 
蜂須賀があれだけ浦島浦島言う気持ちがすごくわかる。
虎徹の問題というとどうしても長曽祢と蜂須賀のみにフォーカスが当たって
浦島くんはそのフォローというイメージだけど
長曽祢と蜂須賀だけではどうしようもなくなる部分に
浦島くんがあまりにも必要というのを感じた花丸だった。
 
 
花丸の蜂須賀は長曽祢に対して
虎徹を名乗るなら(認めないけど)虎徹らしく品のある行動をとってくれ!!!」
って気持ちが強くて、
それ故に長曽祢になんだかんだ突っかかるという描かれ方なんだろうなと。
 
でもあの蜂須賀、長曽祢がそれこそ蜂須賀が文句のつけようのないぐらい、
服をちゃんと着て礼儀作法完璧です〜みたいな態度取り出したら
あなたらしくない…」ってドン引きするよ…
難しい子だね蜂須賀は!!!!!
 
そういう虎徹周りの描写を入れての
回想75に基づく長曽祢と清麿のやりとりだから、
清麿が長曽祢に虎徹を名乗っていい、っていうのが
より沁みたな……
 
清麿が水心子のことを明確に「親友」って言ってるのもよかった。
清麿と長曽祢の関係性は複雑だけど、
清麿は清麿でしっかりと信頼できる関係があって
その大事さが実感としてあって、
だからこそ長曽祢にあのセリフが言えるのかなと感じた。
 
虎徹周り、やりとりが本当に好みの扱いだ〜ってシーンがずっと続いて、
途中感極まって涙ぐんでしまったりしたので、
どんな水着を着ているかまで気が回らなくて、
シナリオ周りの感想ばかりです。
2回目はもっと目の方にも意識配れると思う。
 
花丸全体でそこまで虎徹+てんえどの場面が多いわけではないんですが
本当に描かれ方が丁寧だったので印象が強かった。
 
 
正直予告の映像見た限りでは、ここまで虎徹+てんえどの回想をやるとは思わず、
蜂須賀がちょっと喋ったらいいな~~~ぐらいの気持ちで見に行ったので
余計に回想入れてくれた…という歓喜が大きかったのかもしれない。
 
 
今回の花丸観に行くにあたって復習をしようという心構えではなく、
純粋に楽しみすぎて
花丸1期の頃の蜂須賀ってどんな感じだっけ~と
2期の虎徹ミュージカルをちょっと見返してしまったんだけど、
花丸通して蜂須賀の描き方が大きく変わったわけではなく
でも丁寧に虎徹の関係性を描いてくれたなという印象。
 
1期の頃の蜂須賀は耕運機乗って笑ってた印象が強いね…あと「かすていら」
ブレてるわけではないんだけどかなりギャグ寄りにデフォルメされてるというか
見返すと「この刀だいぶおもしれー個体だな…」という気持ちになった。
 
2期は虎徹ミュージカルとED歌ったり、虎徹にスポット当たる回がしっかりあって
嬉しかった思い出。今でも結構その回は見返す。
虎徹の難しい部分には触れず、花丸らしいシナリオなのですごく好き。
あと『みちゆき、寄り合い』は本当に良い曲。大好き。
 
その1期、2期を受け、今回の花丸で既存の回想を入れつつ
虎徹の関係性を大切にしてくれたことが本当に「よかった」
 
 
◆髭切と鬼丸国綱
事前情報ではそこまでフォーカスが当たっているように感じなかった
髭切と鬼丸国綱、かなり会話しててよかった。
この二振りについては回想83『鬼丸と鬼切』をベースにはして話しているんだろうと
いう場面があるけれど
あくまで花丸寄りのやりとりになっていて、
今回は本当に全体的に回想の取り入れ方が好みだった。
 
髭切はどうしても膝丸とのやりとりが多いので、
そこももちろん好きなんだけど、
毎回同じような会話になっちゃうなという部分もあるので、
今回かなり鬼丸と関わってて、
好戦的な髭切を見れたのが新鮮だった。
源氏兄弟も勿論よかった。
 
一番好きな兄者、戦闘ボイスで急に奇声をあげる兄者なんですよね。
ああ、この人は刀なんだな、と感じる
あのおっとりバーサーカー感が好きなので
好戦的に描かれている髭切を見せてくれて嬉しかった。
 
花丸ならではの、大人数が顕現しているからこそ描ける関係性を見れてよかったです。
 
 
 
◆兼さん
何気にアクションシーンでは見せ場が多かった。
活劇もあるし、何よりミュでかなり目立ってるから、
メディアミックスで目にする機会が多いけど、
何気に花丸では実はそこまで出番が多くなかったかもしれない。
 
銃や大砲~ってボイスがあるのに何故かいつも水鉄砲使わされてる花丸兼さん。
でも花丸の兼さんすごい本家のイメージからブレず
めっちゃ兼さんなので兼さんはすごい。兼さん見ると語彙が堀川になる。
 
◆江
個人的に、江は事前に推されてる割に印象が薄かったというか、
江目当てに期待しすぎるとちよっと物足りなくなるかもしれない…という感じ。
出番少なくはないし、各キャラクター性は十分に発揮してるので
マイナスに感じるというわけではなかったんだけれど。
 
もう信頼関係がかなり出来上がった状態で描かれてたので、
その関係性になるまでも見せてーの気持ちが若干あるかも。
作画は多分一番力入ってます。
 
あとミュの東京公演と毎公演の心覚MCでかなり濃く江を浴びてしまったのもタイミングが悪い。
らぶフェスの江、見たい江の姿が叶い過ぎていた……。
江がいたら歌って踊るもの…という刷り込みがされすぎている主がいけない…
ミュをほとんど触れてなければ印象全然変わると思う。
江だけ推しならエンディングのある、3週目に行くのがいいかもしれない。
 
 
◆南泉と山鳥
個人的に一文字の推しが日光と則宗、猫より犬派なので 笑
自分が熱心に語る部分ではないかなと思って全然感想触れなかったけど
南泉は今回の主人公ポジションぐらい出番があったし、
山鳥毛も見せ場が多かったのでこの二人好きなら迷わず観に行っていいと思う。
 
一文字も江もこれからもっとメンバー揃うと思うので
それも楽しみ。
 
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あとで少しずつ追加したり修正したりするかもですが
とりあえず勢いで書き殴った感想はこんな感じで。
雪本当に噂しか知らないのでなんとも言わないんですが、
月ノ巻は虎徹推し審神者
3週目も(特典目当てで)都合がつけば行きたい!ぐらいには満足度が高かった。
 
 
 
正直OPで長曽祢と蜂須賀が画面にファンサ?してくれる
サービスカット入れてくれた時点で
映画代金の元取れたな…)と思ったチョロい
あの時たしかに審神者は猫でした………

雑談~現状の蜂須賀虎徹のメディアミックスの出番について~

また色々メディアミックス関係で動きがあって
蜂須賀の扱いが…という意見を見てしまって、
自分も蜂須賀の厄介オタクだと多少自覚はあるのですが、
扱いに対して
もちろん出番の多い刀に比べたら少ないとは思うけど
扱いが少ない=扱いが悪いとは思わないんですよね。

 

描かれるべきところではちゃんと描かれてるし。
話として広げられるか、
となると難しいのでメディアミックスの出番が少ないという現状はあるけれど。

 

始まりの五振りのメディアミックスでの出番について

ステで主役ポジションになってから
加州と初期刀二枚看板のようになったまんばちゃん。
加州は新選組の刀なのでそもそも歴史ネタとしてすごく広げやすい。

 

そしてまんばちゃん。無双でも大活躍のまんばちゃん。
話として描きやすい、わかりやすい部分としては「写し」というコンプレックスがあること。

そのためにも長義が顕現したのかなというマーケティング感は多少感じるけど
長義はとくびさんでも目玉になるような刀なので遅かれ早かれ
顕現はしてたんじゃないかなと思ってる。

でもこれって極で変わったように、
コンプレックスを克服しても刀としての軸がぶれる部分ではないんですよね。
まんばちゃんはコンプレックスがあるけど元から芯の強い刀として描かれてたし。
長義が「偽物」って呼ぶ部分も多分長義の極で変わるんだろうなと思うし。
まんばちゃんの「写し」コンプレックスは長義も含めて
変化をドラマチックに描きやすい。

 

なので特にこの二振りがメディアミックスの中心的立ち位置にいるのは
すごく納得してる。
好きか嫌いかで聞かれたら加州もまんばちゃんも好きだし。

 

歌仙のメディアミックスで目立つ部分としては
ステで歌仙中心の公演があったこと。無双に出演したこと。
でも無双は歌仙の掘り下げという感じのストーリーではなかったので
無双のまんばちゃんと同じ量の掘り下げだと言われると首を傾げる。

 

むっちゃんは活撃で準主役ぐらいの位置にいた。ミュで公演があった。
多分次花丸の映画で特命調査に焦点があたる。
数がちょっと多いものの焦点の当たり方でいえば蜂須賀と同じぐらいの印象。

 

蜂須賀は今のところメディアミックスではミュが一番露出が多くて
時点花丸2期で結構出番あったなという印象です。

確かにメディアミックスの出番は少ないので
だから蜂須賀虎徹という刀のことがわからないかと言われると
いや…そんなことないぞ…蜂須賀が虎徹として常に誇り高くあろうとしてる刀で
それこそが彼の個性だってことは十分描かれてるじゃん…と思ってしまう。

 

蜂須賀虎徹の関係性として一番描きやすいであろう
「贋作」と「真作」って掘り下げは出来るけど
「写しと偽物」のように解決できる部分ではないんですよね。
「贋作」を「虎徹」として認めてしまったらそれはもう蜂須賀の「虎徹」としての
軸がなくなってしまうし。

だから蜂須賀は長曽祢のことを刀としての実力は認めてるけど
虎徹」として認めることは出来ない。
多少態度が柔らかくなることはあるけど、本当の兄弟にはどうやったってなれない。
蜂須賀自身が「虎徹はただ強く美しくあればいい」と思っていても
世の中は「贋作」と線を引いてしまったから。

「贋作」と「真作」の関係性のドラマチックな変化は書けないんですよ…

 

そんな描きづらいなかでミュと花丸の虎徹回は
絶妙に蜂須賀と長曽祢のミリ単位の歩みよりを描いてくれたことに感謝しかない。
花丸でミュージカルもしたんだよ!!!???なんで??ありがとう!!!!!

 

2022年5月31日の出来事ですが、
ミュージカル刀剣乱舞『幕末天狼傳』のコミカライズが決まったとのことで
蜂須賀をミュに選んでくれてありがとうという旨のつぶやきをなんとなくしたら
結構共感を頂いていて驚いてしまった。

同じ気持ちの審神者がいっぱいいたんだなぁと改めて。

 

扱いが悪いっていうのは出番の少なさとかじゃなくて
本当にキャラについてなんにも掘り下げられない、
出番がある度に性格が変わっているような扱いなんじゃないかなと思う。

 

欲を出すならミュで特命調査天保江戸やってよ!!!の気持ちはある

 

 

蜂須賀虎徹のメディアミックスの立ち位置

Twitterでもちょっと語ったけど蜂須賀の個性って「虎徹」であることが
一番だと私は思っていて。
その「虎徹」であるために「強く優しくありたい」って手紙をくれたのが
本家のゲームの蜂須賀で。

 

「強く優しくありたい」ってめちゃくちゃわかりずらいじゃん。
メディアミックスの役割って結局はコンテンツの展開のため話題性とか
伝わりやすさ、展開のし易さが重要になってくるので
その中で刀剣乱舞の蜂須賀虎徹に向いている役割、向いてない役割っていうのは
どうしても出てくるとは思う。

それを扱いが悪いという人がいて、離れてしまうのは
コンテンツを提供する側も承知の上だと思う。
他の出番の多い初期刀推しの友人と一緒に審神者やってたら
友人がまた推しいるーー!ってなってる横で蜂須賀…ってなる気持ちは
まぁすごいわかる。

 

ミュージカルに出ていなかったら蜂須賀虎徹についての今の印象が
違っていたのは間違いないので
蜂須賀が好きでミュージカル刀剣乱舞に触れていない審神者だとしたら
蜂須賀のことがわからない、扱いが悪いという意見はもっともだと思う。

 

というかミュージカルでの蜂須賀の扱いはむしろいいんですよ。
出陣している公演では隊長だし、ライブがメインの公演の
真剣乱舞祭では一人だけ新衣装をもらったこともあるし、
三日月に対峙する場面も多いので、ミュージカル刀剣乱舞内での
始まりの五振りとしての役割は十分すぎるほど果たしてる。

 

 

大侵寇防人作戦

三日月に対しての態度から感じる印象が
ミュージカルの蜂須賀虎徹、極の手紙と一緒だったんですよ。
基本的に優しくて、相手の意見を尊重する。

メディアミックスが先行しがちではあるけれど
刀剣乱舞の蜂須賀虎徹の芯の部分は変わらないんだなと
その時にすごく実感した。

 

防人作戦の前哨戦、一言二言三日月とやりとりする部分でも
まったく印象変わらなかった。
真剣乱舞祭2016の蜂須賀を思い出した。
三日月に対峙した時、同じような空気だったなぁと。
防人作戦の何年も前に演じてる公演なので
参考に出来るはずがないのに、でも思い出したんですよ。

三日月の言葉を真摯に受け止めて理解しようとする姿勢だった。
そういう蜂須賀虎徹を。

 

 

結局のところ蜂須賀虎徹の扱いが悪いのかって話に戻ると
冒頭で述べたように「扱いが少ない=扱いが悪いとは思わない」という
結論になるし、
審神者個人個人が取り入れているメディアミックスの量によって
その印象は変わってしまうので、それを緩和するためにそれこそ
ミュージカルのコミカライズ、舞台の戯曲本があったりするんだと思う。

 

それこそ始まりの五振りじゃない刀でメディアミックスでも出番が少ない刀もいるわけで。

キャラクター重視のコンテンツで全てのキャラを完全に平等に扱えというのは
極論、出来ているコンテンツなんてないんじゃないかと思う。

 

そんな推し戦国時代でなにが出来るかっていうと
やっぱり推しの出番があった時に全力で応援して、
反響があることをコンテンツ提供側に届けることが一番なんじゃないかということで
今回は結びにしようかな。